紅茶の発酵

 発酵とは?
 広い意味で発酵とは、食品が腐ってその成分が変化する中で、人間にとって有益な場合の変化のことです。大豆を納豆菌によって発酵させた「納豆」。乳を乳酸菌や酵母で発酵させる「ヨーグルト」。酵母によるアルコール発酵の「酒」。そして、茶葉中の酵素による、酸化発酵の代表的な食品である「紅茶」など、どれも発酵食品です。

 紅茶の発酵
 紅茶の発酵は、ヨーグルトや納豆などの菌による発酵ではなく、茶葉中の酵素による酸化発酵です。茶葉中の渋み成分であるカテキン類が、茶葉中の酵素により酸化発酵し紅茶フラボノイドの赤系色素が生成され、紅茶の色の主な一部となっています。茶の産地による差や、紅茶の製造過程の違いなどもあるので一概には言えませんが、発酵時間が長くなると、紅茶の色が濃くなります。また、紅茶を製造する発酵過程で、紅茶独特の良い香りの成分も生成されます。
 紅茶の製造過程における、茶葉の発酵時間は、産地や茶工場、収穫時期などにより実に様々です。紅茶産地では、「発酵」という自然からの贈り物の風味を最大限に引き出すため、日夜努力をしております。様々な天然の味と香りを、お楽しみください。
ROWAN